500アイテムの顕微鏡外観検査を高速自動化

熟練オペレーターが顕微鏡を使用して外観検査を行っていた工程の自動化についてご紹介いたします。
今回の自動化に向けた問題点は、検査対象が小さいにもかかわらず、高速に大量検査を実施する必要がある点です。
検査項目は全体で500か所以上もあり、数ミリの金属の曲がりなどの不良から、ミクロンレベルの半田不良まで多岐にわたります。
それらの検査を1秒以下でこなすよう、高速で動きながら撮影しているので、光量不足や、大量データの画像処理をこなすことが大きなテーマになりました。
画作りの大変さ
今回の装置はエリアカメラ15台を利用して、それぞれのカメラが一定の視野範囲をカバーする形で目の前を通り過ぎる沢山のワークに合わせてシャッタを切ります。シャッタースピードは70マイクロ秒程度なので、輝度を上げる工夫を色々と駆使しています。
また、同じ視野内でも見るべき対象が違うと別照明が欲しくなります。この場合は視野内で照明を切り替えてもう一度撮影したりしています。
後々画像処理で正確に判断するためには、判定に必要な要素をどれだけ表現できる画を作れるかに掛かっています。

大量撮影、大量画像の処理
エリアカメラ15台が目の前を連続して通過する検査対象に合わせて、正確に撮影します。場所によっては照明違い画像を撮影したりします。
これらのタイミングは全てカメラと照明の組み合わせを管理して、エンコーダー情報によって適切な信号で管理されます。
さらにそれぞれのカメラは毎秒膨大な画像を吐き出してきて、画像処理を急かします。
最初は超並列処理で装置内で必死に処理していましたが、AI判定などをするようになり途中であきらめました。
現在は全数画作りを先行実施して、別サーバーでしっかりと画像処理判定しております。